おふざけ

オッス オラ月曜日

3000文字チャレンジ 月曜日

オッス オラ月曜日!
7人兄弟の長男だ。

下の兄弟は順に
次男の火曜日
三男の水曜日
四男の木曜日
五男の金曜日
六男の土曜日
末っ子の日曜日だ

そして月曜日である俺には大切な役割がある。この国の多くの人たちをお休みモードから労働モードへと切り替えることだ。

俺がやってくるとみんな

「うわっ また月曜が来た!」
「またお前か」
「憂鬱の」

なんてなかなかメンタルにくるセリフを浴びせてくる。いつの時代も長男の役割ってのは辛いものがある。

でもな、聞いてくれ。俺は俺が月曜日であることを恥じたことも、くやんだことも一度もないんだ。なぜなら俺が来ることで社会は初めて回り始めるからだ。

それに下の兄弟たち、とくに五男から末っ子の金曜、土曜、日曜たちがみんなに喜んで迎えてもらえるのは、長男である月曜日の俺がいるからだ。

だってそうだろ?金曜、土曜、日曜に遊ぶのに必要なお金はいつ生まれる?月曜から始まる平日だろ?つまり俺がいて初めて下の兄弟3人は笑顔で迎えてもらえるのさ

縁の下の力持ちってやつだな。俺にとっても下の兄弟たちはかわいい存在だから。

 

 

おっと俺の紹介はこの辺にしておこう。次は次男の火曜日を紹介するよ。

火曜日は俺のすぐ下の弟だ。兄弟の中で一番俺に似ている。俺がみんなから嫌な顔をされるのを一番近くで見てきた弟だし、俺の次に嫌な顔されてきたのもこの次男なんだ。

俺がみんなから一番言われるのが「またお前か」なんだけど、次男の火曜日が一番言われるのは

「まだお前か」

なんだ。

セリフは濁点があるかないかの違いだけなんだけど、意味は結構違う。違うけど嫌がられてるって意味ではすごく似てるし、俺の辛さを一番共感してくれるのもこの火曜日なんだ。

でも俺はちょっとだけこの弟が羨ましいんだ。だっていろんな業種の営業マンという職種の人たちが休むのが火曜日だからだ。

住宅販売の営業マン
ネット回線の営業マン
産業機械の営業マン

多くの業種の営業マンたちにとって火曜日は平日じゃなく休日だ

だから弟は各業界の営業マンたちからは喜んで迎えてもらえることが多い。
営業マンはコミュニケーション能力の高い人も多いから、火曜日のやつはかわいがられてるみたいだ。
一番仲のいい弟だから、かわいがってもらえて良かったという気持ちと羨ましい気持ちと、半々あるのが正直なところだよ

 

 

次は三男の水曜日だ。

水曜日も火曜と同じく「まだお前か」って言われて育ってきた。でも火曜と同じく月曜の俺ほどは嫌われてはいない。それに水曜までになると

「やっと折り返しだなあ」

と言われることも多いからだ。水曜だとみんなが嫌がるというゾーンをとっくに抜けていて、「あと半分で土日だぞ。よしっ」と気合を入れなおすから、平日組の中では一番アメとムチのバランスのいい曜日だ。

あと飲食業の人にとっては水曜が休日ってところも多くて、その人たちには歓迎されるんだ。ただチェーン店の飲食業の人は年中無休だから歓迎されないって言ってたな。曜日である俺たちにチェーン店の社員かどうかなんて区別はつかないからな。火曜日の奴もなかなか大変なのかもしれない

 

 

次は四男の木曜日だ

順番から見ても火曜、水曜と同じく月曜日の俺ほど嫌われてはいない。だが週の始まりでもなければ終わりでも折り返しでもない木曜日は、最も印象が薄い。
それによく水曜日と間違えられることが多い。

平日の最終日である金曜日と間違えられることはほとんどないのにね。
その影響もあって木曜日の奴は兄である水曜、弟である金曜と仲が悪い

木曜曰く、
「水曜兄さんと俺は違うし、金曜ほど華があると思われても迷惑」らしい。俺にとってはどちらもカワイイ弟だから仲良くしてほしいんだけどな。

「英語で書かれるとスペル間違える奴多すぎ曜日」

って水曜のことをからかった時の喧嘩はとんでもないことになったから、仲良くさせるのは難しいのかなって最近は思ってきてる。

木曜は個人病院を経営してる医者にとっては休みであることが多い。だから医者や医療関係者にはあいつは喜んで迎えられることが多いんだ。

みんなに嫌がられる俺としては羨ましい限りだよ

 

次は五男の金曜日だ

木曜が言ってたように金曜日には華がある。「花金」なんてあだ名まで付いてて、俺と同じ平日でも金曜だけはみんなに歓迎されまくりだ。

でもこないだ金曜の奴が
「にいちゃん。専業主婦には俺、嫌われてるんだ。旦那の帰りが遅いのがいつも金曜だから」ってぼそっと言ってたな

華があるならあるで、つらいこともあるんだなって知ったよ。特にどの世界でも女性、とりわけ主婦人気がないのは致命的だからな。
今度金曜日と一緒にハッピーアワーでも行って愚痴の一つも聞いてやろうと思ったよ

 

 

次は六男の土曜日だ

土曜日が嫌いな人はいないんじゃないだろうか。多くの人に笑顔で迎えられる。

でも土曜日の奴がこんなに多くの人に歓迎されるようになったのはこの20年くらいだ。
なぜならちょっと前まで土曜日は、学生にとっては「半ドン」という午前中だけ授業のある、あくまで「平日」の一部だったからだ。

そう言う意味で土曜日は平日としてのアイデンティティの揺らぎがあるみたいだ。
月曜である俺の前で

「自分は平日だって言える兄ちゃんたちと、自分は休日だってはっきり言える弟がうらやましい」って泣いてたこともあったんだ。

今度Amazonプライムで「サタデーナイトフィーバー」でも見ながら、飲もうと思ってる

 

 

最後は末っ子の日曜日だ

日曜日は末っ子なだけあって愛嬌もあるし、兄弟みんながかわいがってる。

そしてみんなからも人気者・・・・
そう思ったかい?確かにそういう側面もある。だけど大きなイベントで遊ぶ人がいれば働く人がいるのも日曜だ。それに多くの試験も日曜に行われるだろう?
体調を崩しても病院がやってないのも日曜だ。

だから試験に自信のない人や、体調を崩した人とその家族には日曜は実は嫌われてることも多いんだ。

もちろん日曜が来て喜ぶ人はすごく多い。日曜を嫌がる人は数は少ないけどその代わり、その人たちの嫌がりようはすごいんだ。特に体調を崩して病院に行けない人たちにとっては嫌なものだよね。

月曜である俺はみんなが嫌がる。嫌がり度合いは数字で言うと80くらい。でも日曜を嫌がるほんの少しの人たちの嫌がり度合いは98くらいだ。

多くの人に好かれるけど一部の人には毛虫のように嫌がられる日曜と、多くの人に平均的に嫌われる長男である月曜のオレ。

本当に辛いのはどっちなんだろうな?

それと末っ子の日曜は夜になると俺から離れない。ずっと甘えてるだけだと思ってたけど、最近分かったんだ。

「日曜の夜は月曜の始まりだから嫌われる」ってことを。

俺と日曜は真逆だとずっと思ってた。光と影。水と油。でもだからこそ単なる表と裏ってだけで、真逆なんかじゃなかったんだ。

やっぱり俺たちは兄弟だったんだと思ったよ。最近は祝日の振り替え休日ってやつで俺が日曜と同じようにみんなに歓迎されることもあるけど、夕方になると嫌な顔する人もいたんだ。あれは・・・そういう事だったんだな

俺は俺が月曜である事、そして日曜もある意味では月曜の一部であることを長男として忘れないように心がけるよ。

 

以上、これで俺たち兄弟の紹介を終わるよ
たとえ平成が終わっても俺たちはずっとずっと変わらない

みんな
これからもよろしくな!

 

おことわり
ごらんの記事は全てフィクションであり登場する曜日、団体、人物、組織は一部存在しますが、関係ないし書いた人物はだいぶ疲れてるようです

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